ベトナムの世界遺産「フエの建造物群」を巡る旅 2015年8月

フエの建造物群

 文化遺産・1993年登録

ベトナム最後の王朝「阮朝(ぐえんちょう)」の都(1802-1945年)であったベトナム中部の街・フエ
ベトナム初の世界遺産として登録されたこの町は、
ユネスコ事務局長であったムボウ氏が「賞賛すべき建築上のポエムである」と言わしめた
阮朝の建造物群は、建物だけでなく広い敷地に点在するその佇まいまでも、
世界遺産に相応しい雰囲気を醸し出している

フォーン川を挟んで旧市街と新市街が向かい合っているフエの町は、
世界遺産の旧市街は街の喧騒からも離れ、昔にタイムスリップしたような感覚になる

ベトナム戦争時は大変な激戦地で当時の建物はほとんどが破壊され、再建された物ばかり



阮朝王宮




王宮の入口にある王宮門(午門)
南を意味する「午」の文字通り敷地の南端にある
中央の閉じられた門は皇帝専用
入口として使われている門は文官・武官が使用していた
鳳凰が翼を広げた姿を模したといわれている



午門をくぐると正面に太和殿が見える
両脇にはたくさんの鯉が泳ぐ蓮池
振り返って見た王宮門
内側からのほうが大きさが強調される





紫禁城をまねて作られた太和殿
見るからにかなり小さい
裏からのほうが立派にも見える
おもての石畳には儀式の時に文官や武官が座る位置を示す石碑も




王の権威を示す龍や黄金の瓦など
これでもかと紫禁城まねています


太和殿から見た裏側の風景
本当はたくさんの建物が並んでいましたが、
ベトナム戦争でほとんどの建物が破壊され、
一部の建物だけが復元されています



太和殿裏の左廡と右廡
高級官吏の詰め所を再現しているが、
今は左廡が宮廷文化の展示室、
右廡が皇帝の衣裳を着て記念撮影する写真室となっている



中庭を囲む回廊も再建中
真新しい回廊は朱と金のコントラストが印象的



皇族のみが楽しめた宮廷舞踊「ニャー・ニャック」の劇場「閲是堂」
世界無形遺産にも登録されている「ニャー・ニャック」は
1日2回ここで45分間のショーが開催されています


VELTRA

カイディン帝陵

カイディン帝の墓稜
西洋風の建築でフエの他の建造物とは全く趣が異なる

石段には龍、階段を上った先には武官、文官,像などの石像が並び
墓稜を守っている

派手好き・無宗教のカイディン帝は、
建築様式にも東洋・西洋・仏教・ヒンドゥー教・キリスト教がミックスされ、
複雑かつ繊細な墓稜となっている

金箔に覆われた青銅製の等身大の像の下に
カイディン帝の遺体が埋蔵されている
歴代皇帝の中で唯一埋蔵場所が判明している

八角形二層の石堂は皇帝の偉業を称えたもの

皇帝の遺品も展示されているが、とにかく派手な物ばかり


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トゥドゥック帝陵

阮朝皇帝の中で最も在位の長かったトゥドゥック帝の墓稜
広々とした庭園風の作りが特徴

皇帝の功績を称える石碑
石碑を覆うお堂も立派なもの

石壁に囲まれた皇帝の墓
盗掘防止のため遺体はここには安置されておらず、
どこに埋葬されているかは現在も判明していない

墓の前にある蓮池
訪問当時は工事中

大きな蓮池を見下ろす位置には皇帝を祀った寺院がある
元々在時に静養に訪れていた建物と言われている
中には玉座が展示されている


一部の建造物以外はほとんどが修復中
立派な庭園風墓稜が見えるのはいつになるのか

VELTRA

ティエンムー寺

高さ21.24mの慈悲(トゥニャン)塔
八角形七層の塔の各層には仏像が安置されている
「幸福と天の恵み」を意味している

塔の奥には釈迦を祀ったダイフン寺がある




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